概要・理念

「人 - 産業 - 環境の共生」

共生システム理工学類

 共生システム理工学類では、21世紀の社会が抱える諸課題に挑戦でき、人・産業・環境が共生する社会の構築に貢献できる人材を育成することを目標に掲げています。共生を科学する新しい教育・研究システムの下で、卒業までに次の4点を身に付けたいと考える学生を受け入れます。

  • 幅広い理工学的基礎知識と確かな専門性
  • 論理的で的確な立案力と決定力
  • 学際的・国際的に実践する力
  • 積極的かつ持続的な貢献意識

 共生システム理工学類では、1年生で数学、物理学、化学、生物学、地球科学、プログラミング等の理工系の基礎科目を学ぶとともに、「共生の科学」などの科目で諸課題を学際的・システム的に捉える力を養います。2年生の前期(第3セメスター)から専門領域名を冠した9つのコースの中から1つを選択して専門領域を深く学び、3年生の後期(第6セメスター)からは研究室に配属されて、演習や卒業研究を行います。

共生システム理工学専攻(博士前期課程)

 温室効果ガスによる地球温暖化、化石資源・化石エネルギー資源の枯渇、経済発展に伴う環境負荷は、地球規模の課題となっています。自然との共生を図りながら経済発展を可能とする、新たな省エネルギー・省資源の技術開発が不可欠な状況になっています。また、わが国では高齢化社会が到来し、介護・医療分野においては高度な支援が求められ、働く世代の減少に伴う産業構造の変革も求められています。
 こうした課題の解決のためには、従来の科学技術の枠組みにとらわれず、地球規模の視野と多元的な視点を持ち、「共生のシステム科学」という新たな枠組みの中で物事を考え、対応できる力を有する人材が必要です。
 共生システム理工学専攻では、人一産業一環境における共生のための新たなシステム科学の構築を志し、課題解決に向けて積極的に挑戦しようとする強い意欲を持つ人を対象として、本専攻に相応しい人材を選抜します。
 本専攻には4つの分野があり、それぞれ以下のような研究を通して、専門的な知識・技術・技能、実践的な知識運用・課題解決能力、および多元的な視点から事象をとらえようとする姿勢を育成しています。いずれかの分野に興味があり、自分に適合していると考える学生を求めています。

数理・情報システム分野
 数学、情報科学、経営システムエ学、およびそれらを基礎とする数理・情報システム分野の研究

物理・メカトロニクス分野
 物理学、機械工学、電気電子工学、制御工学、およびそれらを基礎とする物理・メカトロニクス分野の研究

物質・エネルギー科学分野
 化学、材料工学、化学工学、エネルギー工学、およびそれらを基礎とする物質・エネルギー科学分野の研究

生命・環境分野
 生物学、心理学、地学、気象学、水文学、およびそれらを基礎とする生命・環境分野の研究

環境放射能学専攻(博士前期課程)     環境放射能研究所HPもご覧ください

 環境放射能学専攻は、福島大学唯一の附置研究所である環境放射能研究所のもとに設置されました。本研究所は2013年の設立以来、東京電力福島第一原子力発電所での事故後の環境放射能に関係する課題に取り組んでおり、事故の経験と教訓を国際社会と共有し、長期にわたって研究していくこと、そのためにこれらの課題に携わる専門家を継続的に育成することが重要と考えたためです。
 環境中にある放射性核種は、大気や水の循環、生物の活動などにより、その形態を変えつつ環境中をダイナミックに移動し、それを支配する因子は、放射性核種自身の物理的・化学的性質に加え、気象条件や土壌の性質、動植物の生理生態学的な特性など多岐にわたります。したがってその解明には、生態学、生物学、地球科学、現象数理学、化学、物理学、機械工学、電気工学などのさまざまな学問分野の知識を横断的に理解するとともに、俯瞰的に考察することが必要です。
 これまで人類は、大気圏核実験や事故等によって人工放射性核種の環境放出を経験していますが、その影響については未解明な部分が多くあります。また、近年の高度な工業製品の開発に不可欠であるレアメタル等の天然資源の開発などに係る天然放射性核種の管理も、重要な課題となってきています。
 環境放射能学専攻では、こうした課題に対応するため、人工および天然放射性核種の環境中の動態を解明し、計測、モニタリング計画、制御、予測、評価などに中長期的視点で総合的に取り組むとともに、それを環境防護、予測評価、環境修復、廃炉、中間貯蔵、浄化などの課題解決ならびに学術の発展に積極的に挑戦しようとする強い意欲を持つ人を対象として、柔軟な思考力、分析・観察力などを総合的に評価し、本専攻に相応しい人材を選抜します。
 本専攻には3つの分野があり、それぞれ以下のような研究を通して、専門的な知識・技術・技能、実践的な知識運用・課題解決能力、および多元的な視点から事象をとらえようとする姿勢を育成しています。いずれかに興味があり、自分に適合していると考える学生を求めています。

生態学分野
 生態学、生物学、およびそれらを基礎とする放射生態学分野の研究

モデリング分野
 地球科学、現象数理学、およびそれらを基礎とする放射能モデリング分野の研究

計測分野
 化学、物理学、機械工学、電気工学、およびそれらを基礎とする放射能計測分野の研究

大学院(博士後期課程)

環境放射能学専攻