福島県が取り組む放射線教育

福島第一原子力発電所の事故以来、福島県では先進的な放射線教育が積極的に行われています。

福島県内の学校で行われている放射線教育

福島県教育庁では、未来を担う子どもたちには、放射線等に関する科学的な理解を基にして、自ら考え、自ら判断し行動できる力や自分の言葉で他者に説明する力を育むことが大切だと考えています。福島県教育庁義務教育課が発行した「放射線等に関する指導資料」には、県内の学校における様々な放射線教育の取り組み事例が紹介されています。その内容は放射線の基礎知識だけでなく、事故の実態や廃炉工程、放射線に関わる人権教育など多岐に渡ります。
将来教員を目指している学生のみなさんには是非、福島県における放射線教育を知っておいてもらいたいと思います。
詳細を知りたいときには、福島県教育庁義務教育課のHPの「放射線・防災教育」から確認してください。

放射線等に関する
指導資料
(第5版)の表紙

廃炉作業を行っている東京電力職員の話を聞く
生徒たち

学校教員向け放射線教育講習会

「放射線・防災教育フォ-ラム」
(2017年11月15日 コミュタン福島)
約450名の生徒や関係者が参加。
日頃の学習成果を生徒自ら発表し意見交換を行いました。

第4回双葉郡ふるさと創造学サミット
(2017年12月9日)

コミュタン福島(福島県環境創造センター交流棟)
~環境回復・創造の“学びと発信”を目指して~

コミュタン福島の概要

福島県環境創造センタ-交流棟「コミュタン福島」は、主に福島県の未来を担う子どもたちが「放射線や福島の環境等について学び、自ら考え、主体的に判断し行動する力」や「福島県の状況を適切に理解できる力」を身に付けるために展示、体験研修スペ-ス等を備えた施設になっており、2016年7月にオ-プンしました。
コミュタン福島では、体験型の展示や360度全方位に映し出される映像を体験できる環境創造シアタ-、実験を通して体験学習ができる多目的会議室などにより、放射線や福島の現状について学ぶことができます。

世界に2つしかない360度全球型シアタ-

福島第一原子力発電所の模型

大型霧箱をのぞく子どもたち

福島県環境創造センターについて

コミュタン福島が併設されている福島県環境創造センターは県が三春町に整備した施設であり、福島第一原子力発電所事故からの「環境回復と創造」に向け、『モニタリング』、『調査研究』、『情報収集・発信』、『教育・研修・交流』の取り組みを行っています。
また、南相馬市には、出張所の「環境放射線センター」を設置し、原子力発電所周辺のモニタリングや空間放射線量の常時監視を行っています。

ゲルマニウム半導体検出器による放射能分析

GPS歩行サーベイ技術の開発

研究成果報告会の開催

コミュタン福島を活用した放射線教育

福島県教育庁指導主事の先生からのメッセージ

國井 博先生
福島県教育庁義務教育課
指導主事
(放射線教育担当)

2011年3月11日以降「福島県」は世界中から注目されることになりました。本県では、「ふるさとの再生」にとどまることなく、「ふるさとの復興、そして新たな発展」に向けて様々な取り組みが行われています。
福島県教育委員会では、放射線教育を通して未来を担う子どもたちに、福島の「過去」に学び、「現在」を見つめながら、「未来」を切り拓こうとする態度を育んでもらうことが大切であると考えています。そのためには、これまでの「放射線等に関して科学的に理解する学び」を更に発展させて「地域や関係機関との連携した問題解決的な学び」を目指す必要があります。
一人一人の実践が小さな成果をもたらし、その積み重ねが「福島ならではの放射線教育」となることを信じています。教師を目指している学生のみなさんにも是非本県での放射線教育に一緒に携わってもらえるよう期待します。
さらに詳しく知りたい方は