福島大学の取り組み ②

海外大学との連携

現在、福島大学では海外の様々な大学と連携して研究・教育活動を進めています。学類生のうちから海外に赴き、国内では実施が難しい先進的な実習を受講することも可能です。福島で廃炉や放射線を学ぶ若い人材には海外からも熱い視線が集まっています。

外国人教員による放射線測定実習
(米国コロラド州立大学)

ロッキー山脈での放射線測定

放射線による遺伝子影響実習

研究・教育機関との連携

 福島県には現在、廃炉や放射線に関連した様々な先端的拠点が集積しています。福島大学では積極的にこれらの拠点と連携して研究・教育を進めています。地域の課題や先端研究の内容を知ってもらうための現地視察、また現場を熟知する方を招いて現状を聞く特別講演など積極的に参加してもらえればと思います。

廃炉ロボット試験用モックアップ階段視察
(日本原子力研究開発機構楢葉遠隔技術開発センター)

環境サンプル採取・測定実習
(福島県環境放射線センタ-)

放射線教育に関する特別講演
(福島県教育庁指導主事・國井先生)

廃炉ロボット試験用モックアップ階段視察
(日本原子力研究開発機構楢葉遠隔技術開発センター)

環境サンプル採取・測定実習
(福島県環境放射線センタ-)

放射線教育に関する特別講演
(福島県教育庁指導主事・國井先生)

「放射線取扱主任者」資格を取ろう

 放射線を扱う廃炉事業に欠かせないのが「放射線取扱主任者」資格。どんな資格なのか、資格を取得するためのステップや就職への活かし方を紹介します。
まずはじめに、放射線取扱主任者とは、放射性同位元素あるいは放射線発生装置を取り扱う場合に、放射線障害の防止について監督を行う者です。放射線を扱う様々な業種で必要となりますが、主任者になるためには国家資格が必要です。
この資格には第1種、第2種、第3種の3種類があります。第1種と第2種は筆記試験があり、それに合格後、資格講習を受講することで国家資格が取得できます。第3種は筆記試験が不要で、資格講習を受講することによって直接に国家資格を取得できます。業務範囲は第1種が最も広く、研究機関や病院、製造業などでも活躍できます。毎年多くの理工系大学生が第1種と第2種の試験にチャレンジしています。共生システム理工学類では「放射線科学」の講義等を通して合格に向けての支援を行っています。

外部講師による特別授業「放射線科学」
(日本原子力研究開発機構・植頭先生)

2016年 第1種1名、第2種8名 合計9名合格

2017年 第1種1名、第2種7名 合計8名合格

「放射線取扱主任者」資格を活かす卒業生からのメッセージ

松枝 誠さん
2015年3月・共生システム理工学研究科博士前期課程修了

修士論文のテーマは「カスケード型誘導結合プラズマ質量分析システムの機能化と淡水中の放射性ストロンチウム分析」。放射線関係の研究機関で福島第一原子力発電所に関連した仕事を行うため、日本原子力研究開発機構へ。現在はホットラボの管理業務に携わる。

放射線に関わる仕事を目指すならば、
取得することをおすすめします。

私は放射性物質の分析に関する研究を行うために、学部4年時に放射線取扱主任者(以下「放取」)第1種試験に合格し、その後、修士1年時に主任者研修を修了して免状を取得しました。
私は現在、管理区域を有する施設の管理業務に携わっており、放取試験で勉強した内容を活用しています。法律を例に挙げると管理区域の境界に指定の標識があるか、放射線業務従事者に関連教育を指定の時間以上行っているかなど、試験で出題される内容はそのまま業務に関連します。そのため、当業務においては重要視される資格であり、さらにキャリアアップにも大きく関わります。
私は現在、管理区域を有する施設の管理業務に携わっており、放取試験で勉強した内容を活用しています。法律を例に挙げると管理区域の境界に指定の標識があるか、放射線業務従事者に関連教育を指定の時間以上行っているかなど、試験で出題される内容はそのまま業務に関連します。そのため、当業務においては重要視される資格であり、さらにキャリアアップにも大きく関わります。
放取は就職活動においても有利に働きました。管理区域を設置したい又は放射能分析事業をはじめたいので、放取を持つ社員を採用したいという場面もありました。他にも医療・食品・電力など放射線を活用する現場は多く、ニーズの高い資格です。みなさんも放取を取得して、将来の仕事に活かしてみませんか?