保全生物学実験08 of 塘研究室

生物個体群,生物群集の保全を行う上で,フィールドでの調査,実験は欠かせないものです。保全生物学実験の目的は,植物や昆虫の調査,同定,採取・採集方法,得られたデータの解析方法,生理生態学的研究法,フェノロジーに関する研究法,生物を用いた環境評価に関する調査法を学ぶことにより,生物保全に関する基礎的な技術を身につけることです(「保全生物学実験」のシラバスから)。

まずは河川における底生動物の採集方法を学び,それと同時に河川の上流と中流という2ヶ所の環境の違いを感じて下さい。実験室に戻ってからは「同定」という作業がいかに大変かを体感してもらいます。そして,苦労して取ったデータに基づいて,水原川の上流と中流の河川環境を底生動物を用いた様々な方法で評価してみましょう。現地で感じたとおりの評価結果になるでしょうか・・・。

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水原川の上流と中流での底生動物採集 

水原川中流(松川橋付近)

サンプリングは,サーバーネットを使ったコドラート・サンプリングと手網を使ったランダム・サンプリングの両方で行います。

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水原川上流(狼ヶ森橋付近)

2ヶ所の調査を約4時間で行うのは慣れない学生たちにとってはちょっと大変かも。1ヶ所目に比べると2ヶ所目はさすがに手際がよくなりますが。

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大きな石の下には大物がいる?

大物が欲しい・・・の?

ランダムにサンプリングしていると,誰もがだんだん大物を採集したくなるようです。大きな石をどけると大きなカワゲラなどが採集できることを学習すると,数人がかりでかなり大きな石をどけようとし始めます。

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最大の獲物はヘビトンボです

残念ながら大きな石は先輩3人でも動かなかったようです。魚を別にすれば,この時期,水原川の上流で最大の大物はヘビトンボ(3年目の終齢幼虫)です。