主 催:日本植物学会東北支部
共催:東北植物研究会
後 援:福島県教育委員会,福島大学
福島大学共生システム理工学類自然再生・共生プロジェクト

平成21年度福島大学学術振興基金交付事業

公開シンポジウム


東北地方の植物 〜多様性とその保全〜


2007年11月に閣議決定された第3次生物多様性国家戦略では,「自然には地域ごとに個性があることから,それぞ れの地域における取り組みが重要」と謳っています。今後,この国家戦略が政策に反映されるにつれて,地方公共団体や大学,地元の同好会・研究会が,地域の 生物多様性 の保全に果たす役割が格段に大きくなると考えられます。一方,東北地方は豊かな自然をはぐくんでいながら,他の地方と比較して,生物多様性に関する知見の 集 積や,普及,科学的な保全への取り組みが進んでいるとは言えません。これは,博物館の自然史部門や保全に関わる大学の研究室が,他の地方と較べて,必ずし も 充実していないことを反映しているのかもしれません。
 そこで,2008年に福島で行われる植物学会東北支部会で,東北の植物の多様性とその保全に関する公開シンポジウムを開催し,東北の植物の特色や魅力を 紹介すると共に,その危機的状況や,科学的な保全に関する最新の研究成果について解説します。学会員ばかりではなく,地域の植物研究や保全に携わる人の参 加 を促すために,地域の植物研究会や同好会と共催や後援等の協力を呼びかける予定です。講演や討論を通じて,東北の植物の魅力に対する認識を深め,保全に 関する情報交換が進むきっかけになれば幸いです。


中学生・高校生研究発表 
 
中学生および高校生による動植物に関する研究を募集します。中学生,高校生,教員,保護者の方々は,中 高生の研究募集のページをご覧になり,どしどしご応募下さい。

シンポジウムポスターダウンロード 

【日時】2008年12月13日(土) 13時から16時まで

【会場】福島大学共通講義棟 →福 島大学(学内地図は「キャンパスマッ プ」をクリック) → 福島大学 交通案内

【対象】どなたでも参加できます。東北地域の植物 に興味 のある方,地元の植物研究家・愛好家,植物分野の大学学部に進学希望の中学生・高校生,植物分野や環境保全について学んでいる大学生など歓迎。

【参加費】無料

【参加方法】当日会場に集合して下さい。申し込みは不要ですが,大まかな参加人数をつかむため,準備委員会 kurosawaあっとまーくsss.fukushima-u.ac.jp(あっとまーくを@に変換して下さい) まで参加者氏名・所属(学校名や企業 名,住んでいる市町村名など)をご一報下さると助 かります。

【プログラム】

12月13日 (土) 13:00〜14:00 
中学生・高校生研究発表

H1 外来魚の個体数及び年齢調査!!
    金澤勇輝・蛯原淳・今田弘樹・米本一樹・渡部哲矢(福島県立相馬高生物部)
H2 植物の抗菌性の研究
    阿曽貴大・芦野悟・橋愛衣・佐藤絵里・鈴木綾華(福島県立福島西高生物部)
H3 植物色素とpHの関係 〜アントシアニン 七変化に魅せられて〜
    佐久間琴子・渡邊あゆ美(福島県立安積高生物部植物色素班)
H4 シラカシの実生について
    渡邊聡史・鍋島俊(福島県立安達高生物部)
H5 水田の環境について
    西裕貴・飯田智也・鈴木雄一(福島県立相馬農業高)
H6 クマガイソウの実生苗の生産と栽培の取り組み
    古瀬恵介,加納聖也,黒沼由利恵,小山和美,斎藤和仁,高橋絵理,高橋大樹,西塚詩帆,兵庫大樹,皆川朋諒,矢口大地,山口大樹(山形県立村山農業高園芸 サイエンス科)
H6の口頭発表を13:30より行います。



12月13日 (土) 14:00〜16:00 
「東北地方の植物 〜多様性とその保全〜」

14:00-14:15 「東北地方の植物の多様性と保全〜現状と本 シンポジウムのねらい〜」

黒沢 高秀(福島大学共生システム理工学類)→ 生物多様性保全研究室(黒沢研究室)


東北地方の植物区系(大橋 1987より)
植物区系や日本海要素・太平洋要素など,東北地方の植物の多様性についての見方を簡単に説明すると共 に,保全や普及に関する現状や,本シンポジウムのねらいについてお話しします。


14:15-14:45 「東北地方の植物相の特徴から」

上野雄規(東北植物研究会)
 
ザオウアザミ
フサタヌキモ、ザオウアザミ等を例にして絶滅危惧植物がまだ残っていること、新分類群が相次いで記載 されていること、多くの暖地生植物の北限地であることを紹介します。


14:45-15:15 「送粉昆虫との関係による植物の進化と多様化〜東北地方の植物を例に〜」

横山 潤(山形大学理学 部

 
タニウツギとキバナウツギの交雑個体
東北地方での実例をもとに、(雑種形成や花形態への 選択など)送粉昆虫が関与した植物の進化と多様化の研究を紹介します。



15:15-15:45 「遺伝的地域特性に配慮した植林のための保全遺伝学的研究〜宮城県におけるブナの天然林と植林地の実 態〜」

陶山佳久(東北大学農学研究科)→  附属複合生態フィールド教育研究センター生物共生科学分野

 
栗駒南麓のブナ天然林
宮城県内のブナ天然林の遺伝的な違いと、過去のブナ植林に用いられた苗木の分子系統地理学的由来を明 らかにし、さらに地域性・非地域性種苗を用いた場合のブナの生育実態について紹介します。
 

公開シンポジウムに引き続き
日本植物学会東北支部第21回大会福島大会一般講演が行われます。
(別途参加費(当日一般1500円、大学院生等1000円)が必要です。学部学生,高校生等は無料です)
日程 12月13日(土) 16:00〜
   12月14日(日) 9:00〜 (終了予定12:45)

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日本植物学会東北支部第21回大会福島大会準備委員会
kurosawaあっとまーくsss.fukushima- u.ac.jp

公開2008.10.1
更新2008.10.9
更新2008.10.14
更新2008.10.18
最終更新2008.11.30