Norifumi KOBAYASHI of 塘研究室

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Tsutsumi LABO. 塘研究室 since 2010-03-21

Norifumi KOBAYASHI

フォレストパークあだたら(福島県安達郡大玉村)におけるトワダカワゲラの生活史

1.はじめに
 トワダカワゲラは氷河期の遺存種と言われ,日本には4種が分布している。本州にはトワダカワゲラ(茨城県から東北地方に分布)とミネトワダカワゲラ(関東甲信越地方以西に分布)の2種が分布しているが,これら2種は分布域に加え,卵成熟の時期,垂直分布などにも違いがある。そして,ミネトワダカワゲラについては,羽化までに4年を要することが明らかになっているが,トワダカワゲラについては,2~3年1化,3年1化,4年1化など様々に言われており,その詳細は明らかにされていない。
 そこで本研究では,ふくしま県民の森フォレストパークあだたら(福島県安達郡大玉村)内の河川にて,トワダカワゲラの生活史を明らかにすることを目的に採集,飼育を行った。

2.調査方法
 トワダカワゲラの採集は,2009年1月から12月までの期間,各月の中旬を目安に毎月1回ずつ行った。幼虫の採集は主に川虫採集用の手網を用いて,毎回50個体を目標に実施し,採集した幼虫の体長と前胸幅を測定した。また,幼虫の水温1日度当たりの成長量,羽化時期,産卵時期を推定するために,幼虫と成虫の飼育を調査地にて行った。

3.結果及び考察
 ふくしま県民の森フォレストパークあだたら内の河川に生息するトワダカワゲラは,幼虫の体長別頻度分布の経月変化と幼虫及び成虫の飼育結果から,羽化時期は9月中旬から10月上旬の間,産卵時期は11月中旬である可能性が高いことが明らかになった。また,孵化時期は長期間に及ぶものと思われるが,孵化のピークは3月中旬頃であるものと考えられた。以上の結果に幼虫の成長量と水温との関係を加味して考察したところ,フォレストパークあだたら内の河川に生息するトワダカワゲラは,産卵から数えると丸4年,孵化から数えると3年8ヶ月を要して成虫になるものと考えられた。

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