地下水盆という専門用語をご存知ですか?
英語では、「
Groundwater Basin」といいます。

地下水盆とは、簡単に言うと、地下水が入っている「お盆」、すなわち地下水の「容れ物」のことです。

しかし、「容れ物」といっても、コップやバケツのように単純なものではありません。地下水は、地層や岩石の中の「飽和帯」と呼ばれる水で満たされた空間に存在する水のことですから、地下水の「容れ物」は、地層や岩石からできているわけです。

地下水を含む地層のことを「帯水層」と呼びますが、厳密に言うと、「地層や岩石を構成する粒子間の空隙・間隙が大きく、地下水によって飽和されており、我々人類が利用できる水を産出することができる地層や岩石」のことを帯水層と呼びます。

地下水盆は、一つの大規模な帯水層、またはいくつかの帯水層を包含し、かん養区および流出区を含めた水収支区を示す単元と定義されます。これは、水文地質学における最大の単元であり、地質学における地層区分の層群または累層群に相当し、一つの堆積盆と考えてもよいわけです。

ここでひとつ注意しておくことは、地下水盆と地表水の集水域とは、必ずしも一致しないことです。

地下水盆の概念は、第四紀地質学の進歩とともに明確になり、地下水管理の単元として大きな役割を果たしてきました。

                 【参考文献: 「新版地学事典」(平凡社)】

地下水盆とは?