大学院(博士後期課程)

共生システム理工学専攻

共生システム理工学専攻博士後期課程では,持続循環型社会の実現や,少子・高齢化問題への対策など,21世紀の課題解決に貢献できる人材の養成を目的としています。このような複雑で複合的な要因を有する課題の解決のためには,これまでの理工系大学院の中心であった自然科学に関する高度な専門知識及び研究能力だけでなく,人間科学・社会科学的な素養も身に付けた国際的に活躍できる高度専門職業人・研究者が求められています。そこで,人-産業-環境の共生を理念とし,共生数理システム領域と共生環境システム領域の2領域で研究プロジェクトを実施し,実践的な活動の機会を通して,自立して研究・開発を行う能力のある人材を養成します。これにより,人を中心とし,産業や環境との共生を考慮したシステム科学の創造・発展・継承を行い,国際的な貢献に資することを目指しています。
2領域の特色と目標は以下の通りです。

共生数理システム領域

本領域では,機械・電子・制御・数理情報・コンピュータ科学に加え,経営情報システム,技術経営(MOT),生産管理とロジスティックスシステム等に関する教育・研究を行い,通信ネットワーク・ソフトウェアなどの情報通信システム,産業用ロボットなどの機械システム,医療・福祉システム,生産システム,輸送システム等さまざまな産業分野において地域社会のニーズに応え人と共生可能な工学系システムの創出を支える,卓越した技術開発力と高度な研究能力を有する自立した高度専門職業人・研究者を養成します。

共生環境システム領域

本領域では,機能性材料・資源循環・エネルギー技術等に関する教育・研究を行い,地域特性をも活かした持続循環型産業システムの創生に関する幅広い知識を備え,高度な工学的研究・開発能力を有する自立した高度専門職業人・研究者を養成します。また,環境システム分野の幅広い知識に加え,水や物質循環に沿った環境変化の実態についての卓越したフィールド調査能力,環境保全や汚染浄化・環境再生等に関する解析・評価能力,衛星観測やモデリング等の手法を活用した解析・予測能力,環境情報を活用した持続可能な人間環境システムの管理・計画能力,人間の心理・生理的仕組みを解明する能力など,高度な専門的能力を有する自立した高度専門職業人・研究者を養成します。

環境放射能学専攻

環境中にある放射性核種は、大気や水の循環、生物の活動などにより、その形態を変えつつ環境中をダイナミックに移動します。また、それらを支配する因子は、放射性核種自体の物理的・化学的性質に加え、気象条件や土壌の性質、動植物の生理生態学的な特性など多岐にわたります。したがってその解明には、理工・工学の広い分野にまたがるさまざまな学問分野の知識を横断的に理解することが必要です。

環境放射能領域

本領域では、本学が有する充実した観測環境を活用した実践的教育・研究を行い、分野横断的な知見や技能の習得を通じて、放射能(線)の計測、モニタリング計画、制御、予測、評価などに中長期的視点で総合的に取り組むとともに、予測評価、環境修復、放射線防護、廃炉、中間貯蔵、浄化など複数の課題解決に活用できる実践的かつ総合的な対応力、ならびにそれらの知識を活用した高度なコミュニケーション力を備えた研究者・専門職業人を育成します。